建設業許可取得を考え始めたら押さえたい「経営業務管理責任者」と支配人登記
経営業務管理責任者(経管)とは?
建設業許可を取得するうえで最初のハードルとなるのが「経営業務管理責任者(いわゆる経管)」の要件です。これは、建設業の経営について一定の経験を有する人物を会社に配置する必要があるというものです。具体的には、法人の役員や個人事業主として建設業の経営に関与していた経験などが求められます。要件を満たす人材がいない場合、許可取得そのものが難しくなるため、多くの事業者がここで悩むポイントになります。
経管要件でよくある悩み
個人事業主や小規模事業者の場合、次のようなケースがよく見られます。
- 代表者に十分な経営経験がない
- 社内に要件を満たす人材がいない
- 外部から役員を迎えるのはハードルが高い
このような場合に検討される方法の一つが「支配人登記制度の活用」です。
支配人登記制度とは
支配人とは、会社に代わって営業に関する一切の行為を行う権限を持つ使用人のことを指します。会社法上、支配人を選任し、その内容を登記することができます。この支配人として、建設業の経営業務管理責任者の要件を満たす人物を登用することで、役員でなくても経管要件をクリアできる可能性があります。つまり、必ずしも役員に就任させる必要がなく、柔軟な人材活用が可能な点が特徴です。
なお、支配人登記に関する手続きは司法書士の独占業務に該当しますので、実際の登記申請は司法書士に依頼する必要があります。
支配人登記制度を活用するメリット
- 役員変更をせずに経営業務管理責任者要件を満たすことができる
- 外部人材を柔軟に登用できる
- 組織体制を大きく変えずに許可取得を目指せる
特に、家族経営や小規模法人においては、役員構成を維持したまま許可取得を目指せるのは大きな利点となります。
デメリットと注意点
一方で、支配人登記には注意すべき点もあります。
- 支配人には広範な代理権が与えられるため、内部統制が重要
- 登記や変更にコストと手間がかかる
- 経管としての実績が厳しく審査される場合がある
- 欠格要件の対象者の為申請時だけでなく、許可後も抵触することがあれば許可が失効します
もちろん、名義だけの支配人では認められないため、実際に経営に関与していること・常勤性・雇用保険加入等を証明できる体制が必要です。また、後から支配人を解任する場合にも登記手続きが必要になります。
建設業許可における経営業務管理責任者の確保は、初めて建設業許可取得を目指す事業者に大きな課題です。支配人登記制度はその解決策の一つとして有効ですが、メリットとデメリットを理解したうえで、自社の現在の状況と許可取得後の方向性を慎重に検討することが重要です。

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